シーシュース公爵とアマゾンの女王ヒポリタとの結婚式を数日後にひかえたある日。重臣イージーアスの娘ハーミアと貴族のライサンダーは互いに愛しあっていた。ところが父親はお気に入りのディミトリアスと結婚させようと大反対。かけあちを決めたハーミアとライサンダーは、夜に抜け出し郊外の森で落ち合う約束をする。これを知ったディミトリアスは2人のあとを追い、また彼を慕うハーミアの親友ヘレナもそのあとを追い4人の男女がアテネ郊外の深い森へ集まる。 時同じく、アテネの職人達も結婚式で上演する劇の稽古のため森にやってくる。森の中では、この森に棲む妖精の王オーベロンと女王タイテーニアが夫婦喧嘩の最中。 オーベロンはいたずら者の妖精パックに命じて、眠っているものの瞼に塗ると目覚めて初めて見 たものに惚れてしまうという 「惚れ草」 を使ってタイテーニアをこらしめようとたくらむ。ヘレナに同情したオーベロンは、パックにディミトリアスの眼にもこの草の汁を塗ることを命じる。 ところがパックの 「人違い」 でライサンダーに塗ってしまいヘレナを熱愛。改めて草の汁を塗られたディミトリアスもまたヘレナを…。あわてたオーベロンとパックは懸命に事態収拾をはかるが…。二組の恋人たちはめでたく結ばれることができるのか、職人たちの芝居は成功するのか、 そしてオーベロンとタイテーニアはうまく仲直りができるのか…。